戸辺地陣屋(北海道上磯郡)

函館奉行所を守る為に、松前藩が幕府に命じられて築いたのが、戸辺地陣屋である。
1855年に着工し、7ヶ月後には完成したという。
構造は四稜郭で、東側の先端には砲台となっており、亀が首を出した形をしている。

明治元年の函館戦争の時、旧幕府軍は五稜郭を占領した後、周辺の新政府施設に攻撃をかけたが、
その際この陣屋も攻撃した。
旧幕府軍の猛攻により落城、落城の際に陣屋が使われないように、郭内の建物に火を放ったという。


志苔館から車で40分くらい走った上磯町の台地に、この戸辺地陣屋がある。
陣屋は城址公園となっており、その広大な駐車場に車を停めて、攻城に向ったよ。
ちょうど着いたくらいから雨が強くなって、傘をさしててもずぶ濡れになってしまった。
靴なんて予備を持ってきてないんで、この日はずっとグジュグジュした靴をはいて過ごすことになってしまった。
それはさておき....

表門前の桜並木を歩く。

桜の季節の風景はさぞかしいいだろうな。
左側にちょっと見える愛車。愛車で北海道に上陸するとは、ちょっと感無量である。


表門。
かなり貧相な薬医門だが、当時もこんなもんだったのだろうか？



門前からた空堀。上が西側で、下が東側。
東側に見える窪みは砲台跡。


門の正面にある一文字土居。


土居の背面にはスロープがあり、厳密にはT字型。
このスロープは大砲を土居に上げるもの。
門に突撃してくる敵をここからぶっ飛ばすわけですな。


郭内の各所に建物跡とその説明板があり、非常にわかりやすい。
驚くほど保存状態のいい史跡です。


郭内の南北を仕切るような感じの土塁。
何の為の土塁か不明。詰所などがある生活エリアと倉庫や蔵のあるエリアで区切ったのかね。




裏門。
この門を出てから、しばらく進むと陣屋火薬庫跡があるのだが、案内板に一切記載がなかったので、スルーしてしまった。残念....


東側の先端部。
ここには6箇所の砲台跡があり、先に見えるいくつかの窪みが砲座部である。
手前にある案内板のところは、「大砲入」と呼ばれる大砲を保管する建物の跡。


大砲入跡


土塁に上がって、東側を見る。
犬走りが設けられているが、この時代に必要だったのだろうか？
意図がよくわからない。


外から見てみる。奥が東側の先端部。
砲台跡が3箇所確認できる。



先端部から見たところ。
手前の木が邪魔。これは伐採してもいいと思うのだが....


反対側の砲台跡。


砲台跡前から見た表門。

非常に整備された城址で、ほんとに保存状態がいい。
規模も予想以上で、なぜここがマイナー物件なのかがわからない。
交通の便をのぞいてね。
にしても.....四稜郭、志苔館、そして戸辺地陣屋と、人っ子一人いなかったです...
駐車場には車停まっているのに（ｗ

タグ：城

コメント 5

素晴らしい城址の１つですね。
こういう縄張りのお城、好きです。
by takechan (2011-09-24 21:21) 

かなりマイナーですが、保存状態もよく、整備もよくなされているので、
いろんな意味で素晴らしいと思います。
稜堡式城郭を本土で見れるのは、長野県の龍野陣屋くらいですかね。
by ガンビー (2011-09-25 04:43) 

アルファロメオで北海道上陸ですね。それがしも愛車のバイクで北海道行って
みたいです。
by ノリパ (2011-09-26 21:31) 

折れ曲がった堀のラインが素晴らしいですね。
火薬庫は見ましたか？

by ねじまき鳥 (2011-09-27 23:08) 

＞ノリパさん
北海道はバイクでツーリングだと非常に楽しそうですね。
まだ函館や松前周辺しか行ってないので、また行きたいです。

＞ねじまき鳥さん
火薬庫ですが.....
見てないです。存在を知らずスルーしてしまいました。
なかなか行けるところでないだけに、非常に残念です....
by ガンビー (2011-09-28 06:10)