旧田中銀行(山梨県甲州市) [近代建築]
勝沼ICより10分程度、旧甲州街道沿いに、小さな擬洋風建築がある。 旧田中銀行社屋である。 | |
和と洋が絶妙に融合した、秀面な建物だと思う。どちらの個性も強すぎないところがいい。今の住宅建築が見習っていただきたいところだ。 明治30年に勝沼郵便通信局として建てられ、明治35年から田中銀行として、改修された。 その際、内部の間取りはかなり変更されたとのこと。 | |
1Fの内部。 玄関入ってすぐ正面にカウンターが設けられていたが、現在は取っ払われ、1ルームになっている。 玄関のすぐ左にあるテーブルとイス。これは最近のもの。 左奥が頭取のデスク。今はガイドの方のデスクとなっている。テーブルやイス、本棚は当時のまま。 | |
2F。階段上がってすぐの書斎。戦時中は、向いの田中本家に北白川宮が疎開しており、その従者がここに住んでいたとのこと。 | |
2F廊下。郵便通信局時代は、ここに階段があった。当初は階段部分に、もう一部屋あった。 | |
2Fベランダ側の和室。飾られている写真は、近代美術館工芸館の前にある北白川宮能久親王の銅像だと思われる。 和室の襖と、もう一部屋の和室にある家具。北白川宮の婦人が徳川家所縁の方らしく、葵の紋入りである。疎開から戻る際、運搬が困難だった為、置かれていかれたとのこと。 | |
社屋の裏手にあるレンガ土蔵。 | |
屋根を修築中の蔵。米倉か繭蔵のどちらか。 | |
庭にポツンと佇む、いい味だしてるポンプ。 | |
社屋の各部を見てみる。 後ろ側。 玄関の庇の屋根裏は、菱格子天井。擬洋風建築でよく見られる。 鉄柵。良く見ると、模様が「田中」となっている。この鉄柵は復刻のもので、当時のものは、戦時中の金属供給令で供出されてしまった。 右下のドアストッパーとなっているツボは、昔のワインのツボ。 昼飯を食べた道の駅にあった、勝沼観光パンフに載っていたので、寄ってみたが、見ごたえ充分な物件だった。ガイドの方が非常に元気かつ親切に説明してくれたのも好印象だった。 駐車場は2件先(東京方面)に有料田中駐車場に無料で停めれる。(一応、要確認) |
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