軍人会館(千代田区) [近代建築]
地下鉄九段下駅から地上へ出ると目に付く建物がある。 九段会館である。戦前までは軍人会館と呼ばれており、軍関係の社交場であった。 軍関係の建物らしく、コンクリ建築の上部に城郭建築をミックスした「帝冠様式」である。竣工の昭和9年の当時は、日本らしい建築として、そして攻撃的なルックスから軍や役所なんかで流行した。 近代建築としてどうも悪評が目立つ帝冠様式だが、個人的には、このなんとも言えないアクの強さがたまらない。 この軍人会館が注目を浴びたのは、「2.26事件」だろう。 この事件のとき、厳戒司令部が軍人会館に置かれ、ここからクーデターの兵士に帰順説得のラジオ放送が行われた。 現在は、披露宴や祝宴、宴会ホールとして使われている。 | |
東面側。 | 東側の出入口。 |
上部のシンボルは、陸軍の星をモチーフにしたのだろう。 | |
戦後はアメリカに接収されて、「アーミーホール」と名付けられ、士官の宿舎兼食堂となったが、昭和32年に変換された。 半端なく波乱万丈な建物も、今は平和な日々を過ごしてると言えよう。 |
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