五百羅漢寺(目黒区下目黒) [江戸の風情]
五百羅漢寺。 江戸時代は1695年に開山した、本所深川にあった寺で、将軍綱吉、吉宗の庇護を得て堂宇が整い、繁栄していた。特に百観音が安置されていたさざゑ堂やや五百羅漢像が安置されていた本堂は非常に評判を呼び、連日多くの人が参拝に訪れたという。 しかし、幕末の安政の大地震で堂宇は倒壊、明治の廃仏毀釈で同寺は荒廃、明治42年に現在地に移転してきた。その後も、荒廃の状態は続き、仏像も幾つか流出する憂き目に会うが、戦後に本堂が建立、残った仏像が都の文化財に指定され、目黒の羅漢様として親しまれている。 | |
門前。近代的な外観で、江戸時代の名所としての面影はない。 | |
現在の羅漢堂。 コの字状に羅漢像を配置している。単調な配置で、ちょっと寂しい。 内部は撮影禁止なので、屋外から撮影。 元は536体あったが、現存するのは305体。 開基の松雲禅師によって十数年かけて作られた。 | |
1720年に造られた庚申塔。 | |
昭和54年に建てられた本堂。 和と印のハイブリッドデザイン。この風変わりな様は、いかにも羅漢寺らしいところだ。 本堂は、丈六の釈迦如来の脇に、十大弟子、周囲に羅漢を配置している。これは霊鷲山での釈迦の説法を再現したものだという。 | |
江戸時代には屈指の名所として繁栄した羅漢寺だが、現在はそれ程ではないにしろ、目黒の羅漢として親しまれている。ま、寺としてはこちらのほうが自然かもしれない。 とはいえ、食事処があったりと微妙に羅漢寺らしさは残っている。 参考文献:訪ねてみたい東京のお寺 |
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