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安蓮社(港区芝公園) [江戸の風情]

青松寺を出て、愛宕下通りを東京タワー方面に歩き、東京プリンスホテルに突き当たる所に安蓮社(あんれんじゃ)がある。
といっても、見た目普通のオフィスビルで、ここが寺院とは気づき辛い。
このビルの1Fの駐車場を進み、右手に墓地があり、ここが寺だということを実感させられる。
で、墓地に入ると.....
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無数の増上寺歴代大僧正の無縫塔群に圧倒される。
無縫塔は僧の墓塔として用いられる塔で、本来は禅僧だけであったが、そのうち他宗でも用いられるようになった。
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善光観智国師の墓。
観智国師は増上寺第12世住職で、増上寺中興開山した。増上寺の住職になったのは1584年で、1599年に後陽成天皇から紫衣の勅許を得、1602年には徳川家康より国師号を授けられた。
増上寺が徳川家の菩提寺となったことから、寺運は隆盛を迎えることとなる。
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墓地の入口から見て、右奥隅にある阿部正次の墓。
家康の譜代大名の阿部正勝の長男で、岩槻藩主のときには、大坂城代に任命され、22年間務めた。その後の阿部家は、備後福山藩に移封され幕末を迎える。
ちなみに、阿部正次は、大多喜⇒小田原⇒岩槻(大坂城番)と移封される。
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海陸軍士戦死者之墓。
第二次長州征伐で戦死した幕府軍兵士の供養塔で、正面の文字は陸軍奉行竹中重固によるもので、裏面の追悼文は勝海舟によるもの。

道から無縫塔の上部の丸い部分が見えなければ、寺と気づかない。
墓地を拝観する際は、寺務所に一言声をかけてからにしたほうがいい。

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