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B-29爆撃機のエンジン(東京都青梅市) [戦争遺跡]

B-29...当時では反則級の爆撃機で、日本の高射砲、戦闘機等の防衛能力では全く対応できなかった。

1945年4月2日に120機からなる編隊で、中島飛行機の武蔵製作所を空襲したのだが、
そのうちの1機が高射砲で被弾し、青梅の山林に墜落した。
その機体のエンジン1基が多摩川に落ち、昭和54年に地元に方々のより引き揚げられ、青梅郷土博物館に保管されている。
B29_1.JPG
郷土博物館のエントランスに保管してある、ライトR-3350サイクロンエンジン。
星型複列18気筒で54800cc。7つのシリンダーが残っている。
B-29はこのエンジンが4基搭載されており、高高度、高速での飛行が可能で、
ターボ過給機が開発できなかった当時の日本の戦闘機ではまともに迎撃ができず、
海軍の月光の斜め機銃、陸軍の三式(飛燕)の空対特攻等、トリッキーな方法でしか対抗できなかった。
とは言え、この無敵の爆撃機も万能ではなく、エンジントラブルが多発し、終戦まで解消しきれていない。
少しでも不調なら、即新品に交換し、だましだまし運用していたのだ。
ここまでできるアメリカの工業力、生産能力に正攻法では太刀打ちできるハズもないわけである。
B29_2.JPG
大学の頃、設計工学の講義の教授から、戦時中に墜落したB-29の調査、検討を行ったというエピソードを授業中よく聞かされた。
調査した際、1部品であるボールネジを見て、こんなものを作れる国と戦っても勝てるわけない....
と研究員ながら思ったとも言っていた。
その教授の3つの昔話...B-29の調査、ゼロ戦の開発に携わる、東工大で1つを除き全て優
が話される度に、学生はクスっと笑っていた。
1年間に何度、同じ話を聞かされたことか(笑)
懐かしい限りである。

参考文献
TOKYO軍事遺跡 飯田則夫著
死闘の本土上空―B-29対日本空軍 渡辺洋二著
タグ:戦争遺跡
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