安浦港のコンクリート船武智丸(広島県呉市) [戦争遺跡]
JR呉線と並走するR185号を竹原市方面に向い、ちょうど呉駅と竹原駅の中間辺りに安浦駅がある。この駅から10分程度歩いたところにある港の防波堤を見に行く。 遠くから見ると普通のコンクリの防波堤だが、近づくと..... 船である。これは戦時中に製造されたコンクリート製の船、第一武智丸と第二武智丸である。 | |
国道側が第一武智丸で、沖側が第二武智丸。この防波堤は、第一武智丸船首手前から入るようになっている。 武智丸は、戦時中に鋼材が不足していたことから、コンクリートにて造られた輸送船である。 コンクリートで船を造るという発想には驚かされるが、実際に造ったのにはもっと驚く。 | |
この二艘のコンクリ船は、戦後安浦港の防波堤として、着底された。その際、底に穴を開けられた為、内部は浸水している。 | |
船尾を合わせて、並べられている。 手前が第一武智丸。 | |
第二武智丸の船尾から見たところ。 船尾は、格子状になっている。真中が煙突が立っていたところで、周辺は操舵室。 真中の孔の奥側には、当時のものらしき木材が残されている。 | |
第二武智丸の方が保存状態がいい。第一は、満潮時には甲板部が浸水してしまうから、侵食されてしまっているのだろう。 | |
第二武智丸の船尾内部。 | |
船体中央部の水没している機関室。 | |
コンクリが崩壊し、鉄筋がムキ出しになっている箇所が多々ある。 | |
船首楼の内部。奥の穴は、錨のチェーンが通る穴。 置かれている金属は、イカ釣りの漁具とのこと。 | |
船首楼の手前にある金具。ウインチ関連の固定部だろう。 | |
船首と船首楼上部。船首は金属で覆われている。 シャークヘッドの落書きがされている。 | |
第一武智丸に戻る。 錨のチェーンのスロープ部。 | |
安浦港には防波堤がなく、台風の度に漁船が被害にあっていた為、昭和22年にこのコンクリ船を防波堤として添え付けることにしたという。昭和48年に撤去に話もあったようだが、船が頑丈な為断念したとのこと。 |
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