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聖天宮(埼玉県坂戸市) [寺/神社]

埼玉県坂戸市を車で走っていると、ひときわ異彩を放つ建物が忽然と現れる。
聖天宮である。本格的な道教の宮で、日本で言うところの神社に近いかもしれない。
この聖天宮は、台湾のある方が病気を患った時、神に祈ったら完治し、その後坂戸に宮を建てるようお告げがあったとかで、建てられたという。
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にしても....お告げがあったといっても、ちょっとやそっとの金持ちではこれは造れないっしょ。
道教の宮については、案内スタッフが色々教えてくれる。非常にフレンドリーで、こちらが多々訪ねても、快く対応して頂いた。
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宮の入口となる天門。
.....何ですか、この細かさは....
屋根の細工や装飾はすべて硝子細工。
日本では見ることのない技法である。
屋根の上の細工や装飾は天界を現しているという。よって、人形はすべて道教の神ということになる。
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あっ.....修築中だ...残念っ!
聞けば、竣工以来の初のメンテナンスとのことで、約半年は掛かるとのこと。3週間前に始まったばかりで、やっと足場ができたところ。帰る際、硝子細工の取れた部品や破片を見せて頂いたが、メンテナンスに半年掛かるのも、頷ける気がした。

建物の正面が前殿。右が鐘楼で左が太鼓楼。
毎日午後3時に両方が鳴り響くのだが、訪れたのが3時前だったので、急に鳴り出してビビッたよ(w
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前殿の前にある龍柱。
1つの大理石を透かし彫りしたもの。この宮の彫刻はほとんど全てが透かし彫りで、非常に高度な技術と金が掛かっている。
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前殿の扉には門神という神様が祭られている。寺での仁王様、神社での随身様と言ったところでしょうか。
道教の神様は、すべて雲の上に乗っているので、それを意識して見るのもいいかもしれない。
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天井を見上げる。すげ~....
この装飾は、森羅万象を現しているとのこと。
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本殿。道教の最高神三清道祖と南斗星君、北斗星君、四天王の像が祭られていた。
中国では、神を祭る建造物を「宮」または「廟」と呼ぶ。そして、屋根は天界を現す黄色が多い。黄色の屋根が使えるのは、宮や廟以外では、皇帝の施設のみである。
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色鮮やかな回廊。
至るところに龍が描かれている。龍以外には、鳳凰や麒麟もいる。
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本殿前の透かし彫りの九龍。
九龍は、道教の最高神三清道祖の威令を表している。
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「は~いっ!」聖天宮です~
聖天宮の彫刻や細工、その他建築部材はすべて台湾で製作し、その後日本で宮を建てたという。日本には台湾の宮大工を呼んで15年かけて建てたという、気の遠くなるような作業工程と金が掛かっていることに驚かされる。
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本殿の柱で龍鳳柱。もちろんすべて透かし彫り。
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本殿や前殿の外にある、寿金亭。
祭事に奉げ神紙を燃やす炉である。
スタッフの方の話では、台湾でもここまでの廟はないという。
台湾に行ったことが無いのでなんともいえないが、この極限までに細かい仕事っぷりを見ると説得力はある。
でも、なぜお告げが日本だったのだろうっていう疑問と、これだけの廟を個人で造れる財力には感服しまくりです。
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窪 徳忠

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