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本性寺(四谷) [江戸の風情]

於岩稲荷陽連寺からテンプルストリートに戻るとすぐに、ケヤキの味わいあふれる山門が目に付く。
そこが1670年に設立された日蓮宗の本性寺である。


山門は薬医門。
この山門は毘沙門堂とともに戦災を免れた建造物で、元禄の頃の建立らしい。造りは総ケヤキで、釘を一切使わない切組造り。
300年経ってるのに、古さを感じさせない一方、深みが感じられるのは、ケヤキゆえの風味だろう。

山門と同じく、総ケヤキ造りの毘沙門堂。
この毘沙門天の像は、もともと江戸城本丸あったもので、太田道灌時代から伝わってるものらしい。五代将軍綱吉の側室の発願により、堂と共に寄進されたという。家康の時には、仙台の伊達氏が謀反を起こさないように、北方の守護神である毘沙門天を北向きに安置して祈願したという伝説もあるらしい。用心深い家康らしいエピソードだ。

蟇股(かえるまた)の猫のような虎の彫刻。北斎の浮世絵に出てきそうな虎で、結構好きだ。
蟇股とは、2つの水平の梁の間にあって、荷重を支えるとともに装飾的な部材。元は台形形状であったため、蛙が座ってるようなところからこの名が付いたと言われる。江戸時代くらいになると、凝った彫刻が増えてくる。

階段の横にあったスペア?の鬼瓦

この寺には、江戸中期の国学者にして歌人の萩原宗固の墓がある。


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